部分入れ歯の場合
軟らかい粘膜に力が加わることで痛みが出たり、発音障害や咀嚼(そしゃく)障害があり、また入れ歯を固定するための金具がかかっている歯に負担がかかってきて次第にその歯も失われていくという欠点があります。
現在行われているインプラントには数多くの種類がありますが、当院ではその中で、長さが短い8mm〜10mmの長さのインプラントシステムを採用しています。(通常14〜18mm)
短いということは骨削除量が少なくて済みますので、身体への負担も少なく、手術時間も短縮出来て、術後も歯を抜いた後の痛み程度で済みます。
但し、この治療は健康保険が使えず、全額自費診療となりますので、ご了承下さい。
インプラントとは、広い意味では歯根部と歯冠部を含めた人工の歯のことを指し、狭い意味では歯根部のみを指します。
インプラントの構造は、どのインプラントも大体3つに分かれています。
歯根の部分・・・「フィクスチャー」
土台の部分・・・「アバットメント」
歯冠の部分・・・「いわゆるかぶせもの」です。
インプラントの「長さ」とは、この中のフィクスチャーの部分を指します。つまり、フィクスチャーが短く出来るという事は、骨を削る量が少ない=手術時の身体にかかる負担が少ないという事です。
短いフィクスチャーを植立すれば感染の可能性は低いのですが、(他にも全身疾患があれば問題になりますが)頭でっかちな歯が出来るため、不安定ですぐに脱落します。反対に長いフィクスチャーでは安定しますが、感染率は高くなり骨と接合しなかったり、術後の予後はあまり良くありません。
ではどうしたらこれらの問題が解決できるのでしょうか?
「長さ」の問題はフィクスチャーの表面積にありますので、最近では様々な形状のインプラントが出てきました。ネジ式のもの、茶筒のように中が空洞のもの、逆T字形のもの、形状記憶のもの・・・他にも沢山ありますが、「どうしたら表面積を確保できるか?」「短くて表面積を大きく出来ないか?」という点をクリアーするインプラントをずっと探していました。
そしてついに数年前、「目から鱗」のインプラントを知りました。
それが今私が採択しているインプラントです。
表面に凸凹をつけ通常の長さの約3倍の表面積を持ちます。
フィクスチャーが短いために上顎洞との距離がない人でも適用できます。
上顎洞との距離がない人は、以前は「サイナスリフト」と言って大きく粘膜を剥離して洞底部の骨を持ち上げ、腰の骨から骨を移植して空洞に補填したりという、大掛かりな手術を併用していましたが、今は「ソケットリフト」と言って、フィクスチャー植立のために削除した穴から骨と洞底粘膜を持ち上げるという比較的簡単な手術になってきました。
私が採択しているインプラントでしたら、上顎でも躊躇なく(全身状態が良ければですが)植立することが出来ます。 これまで数種類のインプラントを行った経験がありますが、どれも一長一短があり、予後良好な症例は八割位でした。
しかし現在までこのインプラントの失敗例はなく、大変優れものです。
PRPとは、患者さん本人の血液を採血して、その血液を遠心分離器で分離させ、 血小板を濃縮させた血漿(多血小板血漿)のことです。
このPRP(液またはゲル状の皮膜)をインプラント埋入手術時に用いることで、術後の腫れを最小限に抑え、傷口の治癒を飛躍的に早めることが出来るようになりました。また骨造成手術時には人工骨(当院では100%化学合成されたβ-TCPを使いますので安全です。)と混ぜて使用すると手術後の感染予防に大変有効です。
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